たびたびブログに書いちゃっております、
ゲーセンを世の中に発信していくためには「世の中との共通言語を使って、訴求していく」といいよ
という自論。について今回は、ちょっと具体例を出して書いてみたいなーと思います( ・ω・ )!おつきあいよろしくお願いします(*´艸`*)
■そのテレビは、誰ともつながらない時間をくれる
このキャッチコピー、ご存知ですか?(°ω°)丿
Panasonic「プライベート・ビエラ」のもので、TVCMなどで使われているものです。
わたしはこれを見た時「社会の共通言語を上手く使って発信してるなー」、って思いました。
というのは、SNSが当たり前になって久しくSNS疲れという言葉も生まれるほどの2017年は、SNSによって会社もプライベートもごちゃごちゃになったり友達とも常に「繋がっている」ことが当たり前になってきている時代。
そして、その中で生活する人に向けた「テレビ」というカテゴリの新商品(プライベート・ビエラ)。
Panasonicがこの新商品を世の中にプレゼンする(CMで表現する)時に、この商品にどんな価値があり買うとどんなことができるのか?について、機能的価値(画面のキレイさや持ち歩けるコンパクトさなど)よりも「繋がらない時間」こそが価値であり、「プレゼン(CM)を見た人が興味を持つ価値であろう」とした。
これに、上手いな、すごいな!と思ったのです。
「繋がらない事に共感する日本人」が社会の共通言語になると、Panasonicが考えたのでは?という仮説です。
この仮説をそのままに、ここでひとつ、少し古いプロモーションの事例をあげさせてください。
■「共感」の根底にあるのは、その時代・その国で生きていた人が味わっている「文脈」が共有されていること
只今カンヌウィークということで次々と賞が発表されてますが、
その昔、2010年にグランプリを受賞した作品で、ゲータレードが行った「Re:play」というプロモーションがあります。
AIもVRも使ってないどころかソーシャルすらまともに普及してない時代のカンヌ受賞作です。
キャンペーンの背景としては、「アメリカ人は30歳を過ぎると急激に運動をしなくなる」という調査結果から、「30歳を過ぎてもスポーツをしてゲータレードを飲み、健康になってもらう」ためのキャンペーンです。
そこで注目したのが、1993年に行われた高校のアメフトの試合。イートン校VSフィリップバーグ校の試合で、日本で言えば早慶戦みたいなものらしいです。この試合は当時激闘の末、7対7の引き分けで決着がつかなかったのですが、ゲータレードはその試合を17年ぶりに「REPLAY(再試合)」し、決着をつけようというプロモーションを仕掛けました。
ゲータレードは当時の選手を探し出し、17年ぶりの再試合に参加してもらうように依頼。30代になって肥った選手たちにトレーニングをして元の体系に戻ってもらいました。(そのあいだゲータレードごくごく飲んでる)
そして、試合までの様子をドキュメンタリーにしてFacebookにアップ。試合のチケットは90分で完売し、1万人の観客が集まりました。当日はケーブルTVでも中継され、ソーシャルで話題も広がり、ゲータレードは昨対比160%の売上アップだったというお話です。
やってることはものすごく単純で、さとなおさんが「明日のコミュニケーション」の中でこれからは「共感」が大事!っていう理論の事例としてとりあげられています。
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これを、日本で30代以上の男性向けで考えるとどうなるでしょう?
高校サッカーが好きな人なら1998年の東福岡対帝京の雪の決勝戦を再現するために、本山雅志と中田浩二が再び対決するというイメージでしょうか。甲子園だったら松坂世代の横浜高校対PL学園の再試合というイメージかもしれません。
・・・そう、こういうものが「30代以上の日本人特有の文脈」というものです。
「共感」の根底にあるのは、その時代・その国で生きていた人が味わっている「文脈」が共有されていること。
「自分ごと化」できてこそ「共感」できる。
だから、自分ごと化出来た人たちにはとても深く心の底から「伝える」ことが可能になる。
このアメフトのプロモーションが成立したのは、ひとりひとりの共感を呼んだからこそなんだろうなと思います。
■人の持っている文脈価値を最大限活かす
Panasonicの事例に戻ります。
CMで演じている役者さんの年齢や表現されている生活スタイルが、Panasonicが「プライベート・ビエラ」を売りたい人と考えている年齢層やその生活イメージなのかな?と考えた時。
もしもPanasonicが、売りたいと考えてCMでメッセージを発信しているターゲット(潜在顧客)たちが、SNS疲れのような「人と繋がり続けることに疲れて」いなければ、「そのテレビは、誰ともつながらない時間をくれる」は全く意味のないテキストになります。
もしも、2017年が「SNSが生まれたばかりで、疲れるどこからネットで繋がっていくことは面白さばかりが目立つ」時代であれば、ありえなかった、ということです。
SNSの面白さも進化も逆にもたらしたマイナス面も、全てを日本人が体験し、それが浸透して文化になっている、そんな2017年だからこそ「そのテレビは、誰ともつながらない時間をくれる」が意味あるテキストになるし、それに共感を得た人たちが商品に興味をもつ可能性があります。
(逆に、共感を得ないと興味をもたないということでもあります。)
このように、人の持っている文脈価値を最大限活かすということは、伝え方伝わり方が、言葉から感覚になっていく「体験の時代」にとても大事だと思うのです。
■ゲーセンを発信していくには
この「人の持っている文脈価値」というものが、前回書いたブログでいうところの
“コンテクスト(文脈)”が、コミュニケーションする場合においてとても大事ということはわかって頂けると思います。
特に世の中で、一般的に、幅広く、話し、理解を求めていく場合には「出来る限り聞いた全員のイメージが揃う共通言語、コンテクストを作る」方が絶対に良いです。
という部分にあたります。
そしてもちろん「ゲームセンターを一般的に、幅広く、訴求していきたい」場合にも、わたしは踏まえた方が良いと強く考えています。
「ゲームタイトルの機能や性能を転記するだけ」
「ゲームタイトルを入荷するだけ」
「ゲームタイトルの稼働情報を伝えるだけ」
だと何も訴求になりません。何も伝わりません。ゲーセンの強み、つまり
「ゲーセンまでわざわざ行ってゲームをする、ことでしか得られない体験ってどんなことなのか」
を、
オールゲーセンが、世の中(※ゲーセンの中にではなく外)に、世の中の人が想像しやすいゲーセンコンテクスト(文脈、共通言語)で、ゲーセンの強みを、訴求していくこと。
これこそが、ゲーセンが世の中への発信力をもっていく力のひとつになりえるのではないか?と思っているのです。
■ではいつもの!(笑)
この文脈を作れ、発見していけるのは、絶対にメーカーではなく「ゲーセン」であり、それがゲーセンの強みで、ゲーセンの面白いところだと、わたしは思います。
でも、数十年のゲーセンの歴史の中でも生まれていないのだから簡単ではないです。当然ビジネスの中では難しいものだろうし、1社、1店舗だけで考えつき、広めていくのは難易度が高い、とも思います。
・・・じゃあ、まずは利益を追わなくて良いため(なぜなら仕事ではなく1円にもなっていない・していないから(笑))自由に動ける、わたしたち(ユニット:ゲーセン女子)が考えていけたら、でもわたしたちは業界の中を知らないので、ぜひゲーセンさんに協力頂いて一緒に考えていきたいな!!と、改めて思ったのでした( `・∀・´)ノ=3ムッハー
本気で、圧倒的ゲーセン愛で、世の中への訴求を考えていきたいわたしたちに、ゲーセンさん!ゲーセンユーザーさん!!ぜひ力を貸してください!
さてさて。今回もお読み頂いてありがとうございましたっ♡引き続きご教授のほどどうぞよろしくお願いいたします!!╰(*´︶`*)╯♪
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