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【ゲーセンの中の人インタビュー】ル・モンド駒形(東京都墨田区)岡田さん

東京都墨田区、本所吾妻橋駅を降りたら目の前に「ル・モンド駒形店」はあります。自転車が行き交い、横道に入る路地では立ち話をする“ご近所さん”が。その風景に馴染む黄色い建物。「ずっとここに、当たり前のようにある」んだろうなぁ、という事がひと目でわかります。

そんな、地域密着型ゲーセン「ル・モンド駒形」の店長、岡田さんが、丁寧にインタビューに答えて下さいました。ぜひ最後までお読み頂ければ、嬉しいです!!

ル・モンド駒形店

〒130-0001 東京都墨田区吾妻橋2丁目4−10


小学生の僕にとってのゲーセンは、“そこに行ったら友達がいる”っていう感じ

岡田と申します。気軽に店長と呼んでください!

ここで働いて20 年ですかね。僕が働き始めた当時は“ル・モンド”というゲーセンは複数店展開していましてね、合計で 8 店舗とか 9 店舗とか。「地元のお客さんに遊んでもらいたい」っていう形で、上板橋にもありましたし、清瀬にもありましたし。どこもこういった形態のゲームセンターをやってました。僕は、「一箇所に長く居続けると、たるんできてしまうところもあるから、新鮮な空気を」ということで、上板橋にいたり巣鴨にいたり、上島や八潮にもいたりと、入れ替わりつつ。各場所で、地域に根付いた店を社長と一緒に目指してね。

今現在のル・モンドは、ここ(駒形)と巣鴨でやってますね。いろんな時代の流れでやっぱりね、閉店せざるを得なかったり、もしくは建物の契約切れという形もあって。

僕が小〜中学生の頃は“ゲームセンター”っていうのが、どこの子供の地元にもあるような時代で。僕も、ゲームが下手だけど好きだったものでね。面白いしね。下手ですけどね(笑)。その頃からずっと、僕の生活のどこかしら何かしらにゲームがくっついてきてたっていうのがありますね。ただ、僕の“ゲーム”って、最初っから業務用なんですよね。コンシューマじゃなくて。

それくらいの頃って、セガさんが、シグマのメダルゲームを直営店舗みたいなのではじめられたくらいで。もちろん、僕らは小〜中学生だったから、高くて入れない(笑)。100円 5 枚とかでそんなレベルの単価でしたし、メダルすぐなくなっちゃうし。拾っちゃ怒られてね(笑)。「 100円で5枚とか 10 枚とかだから、ここでは遊べないよなー」ってなって、結局地元のね、近くのゲームセンターでよく遊んでましたね。

昔はオンラインなんて勿論ないですから、各地域に、各地元の人が集まるゲームセンターっていうのが何故かあるんですよ。全員、どこどこ小学校の・なになに中学校の誰々だ、とかって名前知ってるような地元の子が集まっててね。だから、そこに行けば友達がいる。そこを集合拠点にして、そこから「どこどこに遊びに行こう」とかって感じ。だから何だろう、たまり場っていうと言葉があまりよくないのかもしれないけど、そういう感じのやつですね。毎日、学校が終わって、家でランドセルやカバンを置いて、着替えたら、そのままゲーセンに行く。行くとみんながいるから、ゲームで一緒に遊んでたり、友達のゲーム終わるまで待ってたりする。そのゲームが終わったら「じゃあまだそれで遊ぶ?」とか「どこか遊び行く?」とか「行かない?」とかね。なので“ゲーセンにゲームをやりに行く”っていう感じよりも、“そこに行ったら友達がいる”っていう感じ。で、行くと本当にいるし遊んでる。もしいなきゃいないで、「そのうち誰か来るだろう」ってことでゲームやってれば本当に誰かしらが来る(笑)。

そんなようなことをずっとね、小学生・中学生とやってたんで、行くのが当たり前だったですね。こういう環境でずっと遊んでたんで、だからね、ちょっと言葉は悪いけど、風営法の18時とかっていうのがない時だからね、20時とか21時まで居られたりしてましたしね。そのうち(法律が)厳しくなってからは、お店の人に「もう終わりだよ」っていって電源消されちゃって、18時で放り出されちゃうようなことになっちゃいましたけど(笑)。

思い入れのあるゲームは、小〜中学校の時の魔界村、もうあれしかないですよ(笑)。裏技がいっぱいあってね(笑)。“ゼロで蛙になったら無限ゾンビタイムに入る”ってわかる人まだいるかなぁ(笑)?僕らあれで、無限ゾンビ地獄だけやってたんですよ(笑)。一切先に進まずに、友達とずっとゾンビだけを倒して点数を稼ぐの、だから最後の画面が見られないっていうね(笑)。朝イチでゲーセン入って50円魔界村入れて、それで何時間遊んだんだろう?やりすぎて、「さすがに飽きたから帰ろう」ってなるまで遊んでね。

あとはドンキーコングかな。1面のところでね、階段あがったところで、ポーンと一斉にたたくとマリオ落ちるじゃないですか、そのまま画面の下に落ちるんですよ。そうしたら次の画面に行けちゃうとかね(笑)。で、そこだけやってあとは難しくて、むしろそれしかできないっていうね(笑)。あれは今は改良されちゃったのかなあ。

ハイパーオリンピックは、まずはガチャガチャのカプセルでボタン連打するんですよ(笑)、鉄定規は難しいので、おいおいでね(笑)。そうしたらアストロのボタンが両サイドに穴あいちゃって、怒られちゃって。ボタンの山の部分がどんどんどんどん削れちゃってってたらから、まぁ怒られるよね(笑)。こういう裏技情報みたいなのって、どこから手に入れてたんだろう?って思うと、わからないんですよね(笑)。気付いたらみんな知ってたなあ(笑)。いつの間にか情報が広がってて、みんなでその情報使って遊んでましたね。

後はゴルフとかサッカーとかのゲームとか、あとはメダルの競馬ゲーム。今みたいな高度な液晶ゲームとかではもちろんないの。ボタンがあって「2と6が光った!」とか、物理の馬がメダルゲーム機を一周するんだけど、一頭壊れてて走らない(笑)とかそういうのだね。アルカノイドとかギャラクシアンとかギャラガーとかもやったけど、すぐしんじゃうんだよね、難しかったんだよなぁ(笑)。どんどんどんどんゲームが難しくなっていっちゃってたからね。

本当に“ビデオゲーム”みたいなのしか、なかった時代だね。

高校生とか大学生とかになると、ちょっとゲームから離れましたね。就職っていう形で違う方向を向いてたのもあるし、やっぱり思春期になるんで、ゲーム以外の遊びがね、いろいろ情報も入ってきちゃうから(笑)。僕らの時代は、何でもこうゆるい時代だったんでね、クラブだとかディスコだとかスキーとか、いろんな遊びに目が向いちゃって。そのまま就職もして、で、就職したら今度はお酒を覚えちゃったりね(笑)。違うところに興味がどんどん湧いていってしまって、ゲームっていうと本当に片手間っていうか、本当に時間がある時しかやらなくなっちゃってたね。

遊ぶ側とゲーセンを運営する側というのは、まるっきり違った

ここ(注:ル・モンド)で働く前の僕は、配管材料の営業をしてましてね。それで、ひょんなことから、ゲーセンで働かないかって誘われまして。「やってみないか」という形で。もうちょっというと、うちの妻の実家なんですよね。親父さんがゲームセンターを経営してて。今でももちろんご顕在なんですけど、その親父さんが「一緒にやろうよ」って、「うちに入って頑張らないか」って。暫く行かなくなったゲーセンの運営側というか、お店側の方でやらないかっていう、これはいい機会だと思ったんです。

妻とは、高校の頃だったかな?どこだったかな、教習所だったかな、その教習所で最初はすれ違ったりね、同じ教習所の同じタイミングの入所だから、同じ科目の授業を受けたりとかはあるわけじゃないですか。だからまぁ顔は合わせてて。「あ、またいるわ」「またいたわ」って感じに思ってて。ある日、地元なんで狭いんで、なんかたまたま、高校かなぁ、多分高校に電車で向かう時に、車内で、僕の地元の中学時代の友達とその子(今の妻)が一緒にいててね。でお互いに「何で知ってんの?」みたいになって「え?よく会うんだけど」みたいになって、そこからです。なんていうのか、紆余曲折しながら(笑)、27歳のときに結婚して一緒にならせてもらって。で、同時に親父さんに「一緒にどうだ?」って「ちょっと考えてみてくれ」って言われて。

そこからこちらにお世話になりました。義理のお兄さんとか弟さんがもう何十年もゲーム一緒にやられてましたから、そこに後から入っていく形になったんで、頼もしいお二人なので、安心して会社にも入ることができたんですね。大丈夫だよこの会社なら、っていうか、この人達と一緒に頑張ろう、頑張っていこうっていう形で、入らせてもらいました。

で、やってみたらね。遊ぶ側とゲーセンを運営する側というのは、まるっきり違いましたですね。とにかくね「お客さんに楽しんでもらわなきゃいけない」っていうのが先だっちゃって。もうそんなことばっかり考えて。だからね、ゲームなんか見ないでお客さん見てるようなね。「このゲームが面白いんだよね」って言っても別に僕はやりこむわけじゃない。ただゲーム仕入れてお客さんがそこで喜んでくれれればそれでいいか、っていう環境になってますのでね。置くのはこの場所でいいのかとか、どんなゲームだと楽しんでもらえるかとかそんなことばっかり考えてますね。

ル・モンドに誘われた時は27歳。今49歳なので、22年くらいですか。22年くらいずっとこの仕事を、いろんな土地を転々としながらお客さん見てきて、でようやっとこの駒形店に落ち着いたかなっていう感じですね。まあ何か何かのご縁なのかななんて思いながらね。あっという間の四半世紀でしたね。

“ル・モンド”のコンセプトは「遊びを通して地元に根付く」「日々の日常の中に遊びを取り入れる」「普段の日常の遊びを提供していく」

“ル・モンド”は、うちの社長がつけた名前です。フランス語で「信頼」とかそういう意味合いがあるらしいんですよ。その頃のゲームセンターってやっぱり“不良のたまり場だ”とか言われて、まわりから敬遠されるような、そういう業種だと見られていたので、社長が「いやいや、“遊び”というものは、そういうのじゃないんだ」って。「地元に根づいて信頼されるお店を作ろう」っていうので、ル・モンドという名前をつけたって聞きました。社長が「遊びを通して地元に根付く」「日々の日常の中に遊びを取り入れる」「普段の日常の遊びを提供していく」っていうのが、うちの店”ル・モンド”なんだと。

ル・モンドカラーと言えば黄色、僕が入った時から“ル・モンド”って言うと“黄色”なんですけど、この黄色がどこからきたについては、聞いたことがないんですよ。黄色に黒文字で、この文字なんですよ。この亀も、社長がイラストレーターに書いてもらってもう何十年、とか使ってますね。ゆるキャラの走りですよね(笑)。グッズにもして、公式に推してます(笑)。「ナニコレ」くらいでちょうど良いんですよ、見たら「あ、ル・モンドだ」ってわかりますもんね。

この(注:ル・モンド駒形)建物は 20 年前に社長が、飛び出るように見える絵で3 D アートっていうのを取り入れようっていって、どこからか3 Dアートを書いてくれる人を探し出してきてね。浮き出て見えるだろうってやってみたり。ル・モンドカラーの黄色をベースにして、”とにかく地元に喜んでもらおう、根付こうっていう思いのあるお店です”っていう思いで、浅草の雷門を店の壁に描いてもらったりね。「地元の人を喜ばしたい」って頑張ってきて。だから大きいお店は構えずに、地元のココっていう場所にしっかり地元に根付くゲームセンターを作って、皆さんに、地元のお客さんに喜んでもらうというやり方をずっとやってきて、未だにこういう姿で、お店がずっと残っているのかなと。コンセプトがしっかりしてるなと思いますね。

コロナになって、売り上げがガクンと落ち込む中で、「人と同じことをやってていいのかな?」って、「このお店の中でどうできるのかな」っていう風に考え始めた。大手さんと同じラインナップで、大手さんと一緒のことをやってても、やっぱりね、人もメンテナンスもそんなに変わらないんだろうなって思って。10年20年一回りしてきてるから、3Dアートを入れたこの建物とかやっぱり古臭くなってくるし、劣化もするし。

「でも勿体ないんだよな」って思って、そうしたら“古臭い”じゃなくて“レトロ”っていいなって思った。そういう形で進めてみようかと。「そういえばあの頃好きだったゲームを集めてみたら、どうなんだろうな」「喜んでもらえるのかな」ってね、自分勝手にね。「俺だったらこういうゲームがあったら面白いけどな」「俺が昔、楽しかったんだよな」ってそういうのを集めてみてね。で「さあどうだろう」って見てたら、今 20 歳過ぎの男の子とか女の子とかが「これ小学生の頃やってたわ」っていうので思い出してね。皆さんね「ナニコレ見たことない」とか「自分が小さい時にこれよく遊んでたわ」とか「よく見てたわ」って。10年ぶり20年ぶりで見た機械だから、逆に目新しいみたいで、逆に自分たちの初心になってくれたっていうね。「あーこれは古いわ」「俺やってたわ」っていうね。なんかある意味、良い“狭間”のところにあるのかなっていう気がしてて。

だからレトロなんて謳い始めたのは、コロナの後になってくらいからですかね。例えば昔は、 1 Fにメダルゲームを置いていたりとか、とにかく地元に根ざそうっていうのでやってたんで、レイアウトもそういう形にしていたんですけど。コロナになったくらいから「やっぱりちょっと違うのかなぁ」とか思い出して。やっぱりあのお客さんが来なくなっちゃって不安になっちゃって。常連さんももちろんコロナですから来なくなってしまう。もちろん新規なんて、表を人が歩くことすらないわけだから、ちょっとどうしたらいいんだろうなぁって思って。それで、もちろん改めてコロナが明けることを願いながらも、「新しいお客さんがバーンと来た時には、どういった形で迎えると良いだろうか」「この小さなゲームセンターを盛り上げるためにはどうしたらいいんだろうか」と考えて行き着いたのが、たまたま僕の好きだったゲームだったっていう(笑)。

ル・モンドと自分の転機

やっぱりコロナが、転機の起点だったのかなって思いますね。じっくり考える時がきて。その前はもうゲーム業界が徐々に徐々に悪くなっていて、それを何かのせいにして、「あれが悪い」「なにが悪い」「そこが悪いんだろう」とか「これが悪いんだろう」って、闇雲に、何かやるにしてもその度に何かのせいにしながらね。疲れて傷ついているのにお客さんを呼びたいがためにいろんなイベントを打って、ダンピングやったりしてはまた店自身が傷ついて、自ら売り上げを下げて、自身で苦しんでた部分もあっただろうし。「そうじゃないよな」ってなっていう部分で考えさせられたのは、やっぱりコロナの時期なのかな。「もう、今度はこれで進めてみよう」と腹をくくることができたというか。

あとは本当に強制的に物価高になって。電気代に留まらず、あらゆるものが強制的に値上げになって、何かしらを考えざるを得ないっていう。これもまた一つ転機としてはありなのかなって思うんですよ。だって値段をあげるのが怖かったから。値段あげたらお客さん離れてしまうんじゃないかとか、一番最初にに値上げしたらお客さんは他に流れてしまうんじゃないか、お客さんがそっぽを向いちゃうんじゃないか、とかね。やっぱり二の足を踏んでしまってね。もう値上げせざるを得ない、対応するにはどうしたらいいんだろう?という考えさせられる機会もそうだったのかな?コロナ前はそれこそ、人気筐体・人気ゲーム機を常に入れ続けられるところはもちろんそれで良かった。ですけど、一方でじゃあそうはいかない、ダメな店はどうしようかっていうと、やっぱりちょっと前の機械で安売りをするしかなかったりとか。安売りっていうと言葉が悪いかもですけど、多少はね、安くダンピングして、お客さんを呼ばざるを得なかったりとか。

同じゲーセン同士で、同じ業界の中で、他社との競争でお客さんの取り合いやって、互いに削り合いをしてってずーっとやってきて。どのお店も「お客さんが少ない少ない」って言って。で、「売り上げが少ない」って。本当「それはそうですよ」っていうことですよ、 1人で賄えるところを1.5人分やらなきゃいけなくなっちゃったりしているわけですから。それでも進まなきゃいけなかった。どうしようどうしようっていうけど、同じ路線で走り続ける感じだった。で、コロナ明けて「やっぱじゃあ違う方向を向いて、お客さんを取ろう」ってなったりだとかね。

ただ、もうこうなってしまうと、これは現状現実ですし、もうせざるを得ないという。だから、もう考える前に「これやらないとゲームセンターが存続できないんだ」っていうところを考えさせられたような環境にありますのでね。どうにか少しでもちょっと上げさせてもらって、存続ができるようにね。大きく儲ける必要なんか僕は考えてないので。日々暮らしていけるっていうかね、日々過ごせて、ゲーム基板が入れ替えられてとか、メンテナンス出来たりだとかね。それだけで十分だと、今は、思ってるんで。本当にね、マイナスから 0 ベースに戻すっていうのはね。お客さんの流れを 0 ベースに戻すってのが一番、急務っていうか大事なことで、その後はもうあと考えればいいかなということでね。とにかく今来てくれるお客さん、少しでもちょっとでもね、遊んでもらいたいなあっていうね。ただ、ちょっと高いけどねっていう。だからその分はちゃんと値段に見合うサービスをね、ちゃんと、しっかりね。提供できたらいいなと思って。日々やってはいるんですけどね。

大事に大事にして、末永く遊んでもらいたいなと思う

今のゲーム業界、今のやり方だけだと、この先ある意味どんどん尻すぼみになっていくと思うんですよ。だってアップデートがある。今までやっていたゲームが、ちょっと前まで遊んでいたゲームが、もう出来ないんですから。昔は基板で残せたけど、もうみんなアップデートアップデートでかき消されちゃって、新しいのに上書きされちゃって。最新はもちろん、一番良いんですけどね。けど最新だけが全てじゃない。だからどうなっちゃうんだろうゲームはっていう気はしちゃいますよね。”基板を入れ替える”とかね、そういったものでこうなんとかやれるっていうのは、僕たちが遊んでた時代までしかないっていう。今はもうビデオゲームなんていうものはね、今あるものしか残ってなくて、寂しい限りですね。今はネットが繋がっちゃってますからね。ネットが繋がっていないとゲームが出来ない。昔はそんなことなかったですから、物理で表とうらで線ひっぱってくっつけたらそれだけでしたからね(笑)。でもそれくらいでも良いんじゃないのかな、だから人が集まってたんじゃないのかな、とか考えたりするんですけどね。

今は体感ゲームも全くないですしね。僕は「今のゲームしか遊べなかったら、ゲーセンって面白くないんだよな」「昔のほうが面白かったっていう面はあるよなあ」って思ってる。それでうちのラインナップにはそういう、アルペンレーサーがあったりだとかファイナルハロンがあったりだとか、身体を動かしてね、そういうのがやっぱ僕は面白かったんで、そういうのを置いている。まぁすぐ負けるしゴールとか全然遠いんだけどね(笑)、でもそれが良いっていうかだから面白かったんだよなって気がしちゃって。で、突き詰める人は突き詰めますし、1回の人はその1回で楽しんで終われますし。そういうのをね、僕は置きたくて。「ゲームってこういう感じだよね」っていうのをね。みんなでワイワイやるっていうのがゲームっていうかね。昔は雑多に、身体動かすゲームとかそんなものがごちゃごちゃに置いてあったと思うんですよ。今はもう指数えるほどの体感ゲームしか残ってないけど。

もちろんね、今の時代の流れは個人の状況とか空間とかがずっとずっと尊重されてきている時代になってきているから、みんなでワイワイとか流行ったりしないのかもなぁって思ったりもするし、今は座りっぱなしで液晶タップしてみたいな感じのゲームになってますけど。ただ、でも頑張っていれば、”時代はまた繰り返す”じゃないですけど、今、変にレトロブームなんかになっちゃってますけど、そんなふうにいずれまた帰ってくるよな、っていう(笑)。

「先に行き過ぎるとあんまり良くないじゃないかなぁ」って気はしちゃってます。良いもの新しいものだけで揃えていくと、大手だけが勝ち残ってしまって、それはもちろんね、競争社会だからそれで良いんですけど、でもゲームセンターっていうのはそういうのじゃないんじゃないかなって。うちの社長がいうように、地元の、どこの地域にも一件くらいは必ずあった、っていうね、そういうので良いんじゃないかなって僕はね、ずうっと思ってたりして頑張ってやってるんですけどね。そういうのがなくなったら本当ただのクレーンゲーム屋さんになっちゃいますよ。そうしたらもうそれはゲーセンなんだろうか、なんのお店なんだろうか、ってなっちゃいますよ。

だから最新だけじゃないゲームセンターの形っていうのもあるんだろうなあって思ったりして、ここに行き着いちゃったかなっていう感じでね(笑)。うちの機械は本当にもう残っていない機械なんでね。その分愛情がありますね。大事に大事にして、末永く遊んでもらいたいなと思うんです。もし今、ウチにあるゲームがこのまま残せたら、今いる20歳の人、若い人たちが「昔これで遊んでたんだよ」って子供に言うようになるのかな?とか思いながらね。こういうレトロゲームを扱っててよかったなぁっていう風にね、思いますけどね。

お客さんが、1ヶ月間で遊べる金額って、結局は同じ

ちょっと話は前後しちゃいますけど、うちの店はメダルゲーム好きでやっていこうって言ってたんですよね。それがメダル単価の下げ合いだったりとか、機械の値段が高騰したりとかっていうような競争の激化に突入して。それでやっぱりメダルゲームがどんどん衰退してしまったっていう。やっぱそういったのがね、一応すごく大きく響いてきてましてね。売り上げが悪くなれば、もちろん機械も買えなくなる。そういう悪循環が生まれるから、お客さんにメダルを“使わせなきゃ”いけないっていう機械が多くなってきてしまった。そうすると、今までのメダル単価では遊べない、もっと大きなものを、大きな金額をもらって、メダル枚数を多くしようっていう、結局は安売り合戦になってしまうっていうね。機械の“変なラインナップ”っていうか、そういったのもなんか大きく影響してるような気もしてますけどね。そういうのじゃないメダルがあれば、もうちょっと違う環境も生まれてきたんだろうなとかね。

大手メーカーさんが作るメダルゲームって、例えばメダル落としだったりとかもそうですけど、本当にメダルを使う、一気にメダルを使うゲームに変わってしまったなっていう。昔はね。ちょっとのメダルで、ちょっと出た・何が出たって感じで。大当たりしたって言ってもそんな大枚ではなくて。

それがね、どんどん大型化してハイリスクハイリターンのゲームになってね。競馬ゲームとかともう別物じゃないですか。元々の競馬ゲームなんかは、賭けた枚数が倍数に応じて多かったり少なかったりってことだと思いますけど、それはまぁ競馬ゲームですから、っていう。でもそれが今度は一般のお客さんに、こうハイリスクハイリターンのものになっちゃってね。やっぱりガリガリに吸い上げすぎだったんですよね。みんな。どこのゲームセンターも。本当に取り合いだったんでね。どこのメダルが何枚だ、どこは何枚だって、 あそこが700枚になったからこっちも合わせなきゃいけねえわ、みたいな。じゃなくて 500 枚で頑張る営業すれば良かったんですよね。

でもね、難しいですからね、そんなことも言ってられませんから。でも追従していくと最終的には終わってしまうと。何でも行き過ぎちゃうとね。だから、今まだそういうメダルが浮上できないのも、やっぱそういったのもあるのかなっていう。

お客さんが、1ヶ月間で遊べる金額って、結局は同じですから。例えば 10,000円しか遊べないんだったら、 10,000円しか遊ばないんですよ。もう本当に何かがない限り、10,000円なら 10,000円。それをこう、どういう風に長く遊んでもらって、例えば 1 ヶ月間であれば 1 ヶ月間にその 10,000円の中で遊んで、「ああもうちょっとだけ足りないから、1,000円だけ追加」とか「500円だけ追加しよう」とか。それぐらいで遊んでね、「ああ良かったな」「楽しかったな」っていうのが多分、適当だと思うんですよ。それが、必要以上なものを出してもらおうとする、その流れの、その風潮のものになっていってしまって。メタルゲームも、”大枚叩けばメダルもいっぱい出る”って、それはそうでしょうと。でも 10,000円しか使えないんだったら 5,000円で2回やったらその 1 ヶ月はそれで終わり。もうゲーセンには来られないですからね。1,000円で 10 回であれば、 10 日間遊びに来れますからね。

やっぱメダルがね、大きく落ち込んできた原因は、そういうのでもあるかなって。昔のうちなんかはターフワイルド(以降TW)を置いてましたけど、あれくらいがちょうどいいんですよ。リーディングサイアー(注:G1リーディングサイアー)が出て、さらに大きく、さらによりすごく、より綺麗に、とかなってね。スターホース(以降スタホ)なんかもね、気合入れるだけあってすごくいい。もちろんいいけど、でもスタホは1 が一番面白いと思ったんですよね。やっぱりなんか、その後の 2とか3とかになってくるくると、シートが良くなって、みたいなことで、「そっちじゃないんじゃないかな」っていうね。もっともっと“ゲーム本体”で面白いのあるよねっていう。で、結局メダルをすごい使うようなゲームになって。まあもちろん競馬だからいいんですけどね、いいですけど、やっぱり今度それをやりすぎて、今度お客さんを選んでしまう、選びすぎてしまうっていう。気軽にメダル1枚でかけられるようなゲームじゃなくなっちゃった。だから本当に寄りすぎ、ていったなって。TWとか、その頃の機械で十分僕は面白いと思ったから、これをどんどんアップデートしてくれればよかったんですけどね。未だにうちにはその頃のメダルゲーム機の根強い人気のお客さんがいらっしゃったりしますからね。

今メダルシステムとか色々ね、いろんなことをやってますけど。でもそういう風に余分なお金まで、すぐ吸い上げてしまうようなシステムになっちゃって。で、じゃあ運営側はそうならないように、メダルいっぱいあげるイベント組んだりとか単価下げたりして、そのうち結局は元に戻せなくなっちゃったっていうことですね。メダル単価を戻せなくなっちゃったっていうような環境に陥っちゃって。そうするとね、もう行った先は終わりですよ。やっぱり行き過ぎた先は滅亡しかない、衰退しかないんで。行き過ぎると終わるんで。だからメダルゲームも悪くなっていってしまってて、これは行き過ぎたから衰退しちゃったのかなっていう。まあ何年か粘ってたら、まだまだ戻ってくる・戻っていけるとも思ってますから。その時には適正な、そのゲームにあった適正な単価でね。やりたいなっていう風にね、日々思ってますけどね。

だからメダルと同じように景品の単価もちょっと上がり過ぎかなとか思うところはあって。上限も1,000円になりましたけど逆に下げなきゃいけなかったんじゃないかなと。800円上限を600円上限にするとかっていう。その方が、高級志向じゃなくなっていくというか、結果お互いに利益率が高くなったんじゃないかとかね。下げた範囲でメーカーは頑張って景品考えると思うし、僕らも600円でできる範囲でちょっと安く出してあげて、そうしたら回転が早くなるし。お客さんにとっては800円が600円になったらプレイ料金が安くなるしね。単価は下げたほうがお客さんも結果的に安く遊べますし、長い時間店に滞在してくれると思うんですよね。

物価高ももちろんあると思いますけど、景品単価があがればその分、どこかでエンドユーザーにもらわなきゃいけなくなるわけですから。そこで何もしなかったらさらに利益を食いつぶしていくだけですし。だから景品単価があがっちゃうと、ゲーム業界が尻すぼみになっている中で踏ん張れているクレーンゲーム代金に乗っけてくしかなくなるっていうね。今、景品はただ高くなっただけですからね。やっぱり高いですよ。高いとそれなりにお客さんに頂かないといけなくなっちゃう。薄利多売できる大手は乗っけなくてもいけるのかもしれないですけど、そうじゃない企業とかはお客さんからの現金が減れば財務的に仕入れるのすら厳しいってことにどんどんなっていきますからね。本当にそれで努力しろって言われたらするんですけど、最終的にしわ寄せは、メダル単価の話じゃないですけど、お客さんの使えるお小遣い、お金の範囲をどんどん削っていってしまうっていうだけの話で。お客様の持ってるお金が、お小遣いが倍になってるわけじゃないですしね。

今のニュースとか見てましたら、何々の値上げが負担だ、どれどれの値上げが負担だって。倍になるどころか逆ですよね。ガス代が月何百円の負担だとか、交通費が値上がりしたとか、だから安いスーパーに行くんだとかって言ってる最中の逆行じゃないですか。やっぱりそうなっちゃうと、僕は地元に根ざすという部分においてはやっぱちょっと逆行しちゃうよなって思うんですよね。結局お菓子が入ってるくらいなんだから、上限に収まる範囲で、フィギュアだとかおもちゃだとかにしておいたほうが、良いんじゃないのかなーとかね、思っちゃいますけどね。

僕らもね、1,000円の景品だとちゃんと商売しないと。絶対あげるなんか出来ないですよ。でも500円とかならね、まぁあげられる事も考えられれますよね。もっと小さい単価だったら、もっと気軽に遊べる金額設定にできるよなとか「あーもうあげちゃってもいいや」とか「このくらいで子どもたちに渡せるな」とかね。お小遣い握りしめてくるようなちっちゃな子供からね、やっぱりいくらも取れないですよね。でも景品単価高いとそうは言ってられないですから。「もう楽しんで帰ってね」っていう感じの余裕のあることはできないですよね。

だからなるべくね、単価をさげて、大人が努力してね。こうメーカーとオペレーターとエンドユーザーのところで、どれだけの利益をね、供与できるかっていうところのが大事になっちゃうと思うんで。お金をかければ良いものが作れるのは絶対そうですから。だからそうじゃないところでね、メーカーさんには僕らにない技術があるわけですから。「これだけでも良いものが作れるんだ」っていうね。今はメーカーさんが強くて、オペレーターが一番弱い立場になっちゃってるんで。どっちが良いとか悪いとかじゃなくて、とにかく最終的にお客様を喜ばせて、お金を頂戴して、業界が繁栄をしていくっていうのは、やっぱりこの業界にいる会社の目的だと思うんですけど。

僕たちはしっかり楽しませるから、お客さんをしっかり楽しませますから、その分ちょっと、メーカーさんにそういった部分でもバックアップしてくださいよっていうね。ちゃんと楽しませて、その分お客さんにお金を頂いて、そのお金でいっぱい機械買うからさってそういうね。そういうふうにね、こうできれば本当はいいですよね。今は景品もメダルゲーム機も全部高いから、数点しか選べなくなっちゃって、景品も店舗もラインナップがしょっぱくなっちゃったっていうんであればね。やっぱり本末転倒というかね。景品仕入れ金額が上がれば上がった分だけ、入れられる品数は少なくなっていきますからね。大きなところで見れば今まで 10種類やケース仕入れていたのが8に下がってしまったりっていう。それだったら10種類が12種類仕入れられる感じでになれば、品数増えてね、お客さんそのほうが喜ぶよねっていう。どっちがいいかなって思うんですけどね。

まぁ、小さな街のゲーセンのすみっこの僕が言うことでもないんですけどね。こっちはもう本当暴利なんか貪らないから。なんとか僕らも頑張りますからっていうような、そういう協力が、こう、なんかな、お互いに協力してやるところがあればいいなあ。だからお互いにね、いい形で手を取り合って、進んでいければいいのかな?って。お互いに、同等に、まあもちろんかなりどちらも努力してるんですけど、もっとお互い努力してね。もっと良い形でゲーム業界が共に歩めればっていう気は、そういうのになれば良いなと思うんですけどね。

今のゲームは難しすぎて。ずっとやり続けないとわからない、学んでいかなきゃいけない。もっともっともっと、もっとシンプルでいいのにっていう気はしちゃうんですけどね。だから僕はそういったものの、その当時のものが好きだったんで、やっぱりあのこういったもので集めてやってはいるんですよね。おかげさまでみんな「見たことない」とか「これ何だよ」とかいうのがあって、それで 1 回やってみたら「え?もうこれガチ体力系だね」「1回でヘロヘロだわ(笑)」とか言うのを聞いてて、「ええそうでしょう、そうでしょう(笑)」って「昔のゲームは疲れちゃうんですよ」「何回もやれるゲームじゃないんですよ」「でもこれがゲームなんです(笑)」っていうね(笑)、なんかこっちも面白がっちゃいますよね。まただから今はいい形でね、喜んでもらってる環境はありますね。

全体的にこう、ゲーム市場がどんどんどんどん落ち込んでいったのかなっていう。社会的な環境もありますけど、自分たちのせいでもあるしっていう。なんとかこう、我慢して、なんとかね、ここで乗り切れるような関係を取れれば一番良かったんですけどね。だからなまじっか“携帯ゲームのせい”にはできないですよ。僕は別物だと思ってずっと仕事してましたけど、メダルゲームと携帯ゲームは全然違う。ただ、携帯電話とかそういったものが進んでくると、今度、個の時間をみんな大事にするようになって。人とワイワイするんじゃなくて、1人で遊ぶ。みんなで遊ぶとかそういったものがどんどん薄れてきてるのは、否めないかなっていう気がしてますけどね。

明かりを見れば安心できるような、そういうのって地元に一つあったほうが良いよな

お客さんの層は、平日で地元7:観光3くらいですね。土日祝になると今は、地元5:観光5までなってきてますね。観光は海外の方が多くて。まあ土日になるとね、環境は明らかに良くなってきてるなという気がしてますけどね。人が居て賑わっているっていうのは大きいですよ。平日が土日くらいまでなってきてくれたら、また違う・次の環境が見えてくるのかなって思ったりしてますけど。やっぱりまだまだ、言いたくはないですけど、コロナの生活の変化っていうのが残ってますね。夜になるとパタっと人がいなくなってしまう、出歩かなくなっている。もうちょっと環境が緩んでくれたらなと思いますけどね。まぁマスクが自由になったのもまだ5月くらいの話ですからね、まだ全然時期尚早かもしれないんですけども。

地元7って言いましたけど、その人たちのことは見かけたらもう、すぐわかります。全員わかります(笑)。長いお客さんが多くて、10〜20年戦士ばっかりじゃないですかね。TW3が出てる頃・・・いや、1の頃からずーーっと遊んでる人が居てくれてたりもするんで。だから、年齢層が高くなりすぎちゃってるっていう面は、そっち側の話はありますね。小さい子、例えば小学生くらいの人が遊べるような環境を作れているかというと、まだまだかなぁっていうね。

一応、1Fはそういうふうに意識して、機械置いてますけどね。10〜20年戦士のお客さんがお孫さんと来てくれたりするとね、良いなと思ったりします。最近は家族連れ、親子連れも少しずつ増えてきているので、有り難いことですね。少しずつ少しずつですけどね。機械とか、自分でどうしようも無いところもありますけどね、ただ、入りやすい雰囲気だけは出したいなというふうになんとか出したいなという風に思ってますけどね。

電気代上がってきついんですけど、電源は落とさないようにしてるんです。音を流して、明かりはしっかりつけておきたい。このお店の前の道、0時までやっているお店はウチだけなんですよ。ウチが消してると、通り全体が暗くなってしまう。やっぱりなんだろう、明かりを見ればね、安心できるようなね、電気を煌々とつけてね。コンビニじゃないですけどね、明かりがポンとついてる、そういうのって地元に一つあったほうが良いよなって。ウチがそれを担いたいなって思ってね、入口も明るくしてね。そういう感じのお店にはなってると思うんですよね。まぁ電気代は厳しいんですけどね(笑)、まぁそれで、夜遅く地元に戻ってくる人たちがね、ちょっと安心してくれればね、いいなかなあってね。遠くの方での地域貢献っていうかね、少しでも賑やかにって思っちゃってますけどね。

「これがゲームなんだ」っていうのを体感してほしい

あくまで僕の個人の意見ですけどね、“クレーンゲームが一番良い”って言われてますけど「何でなんだろうな」っていう。よく「この景品ほしいから、置き場所を変えてくれ」とか「この景品が取れないからクソゲーだ」とか「あの店では取れたのにこの店で取れない」とか、そういうのを言ってくるお客さんもいらっしゃったりしますけど、ただお金入れてモノ手に入れて満足!みたいなのはゲーム欲を満たしてなくて、ただ物欲を満たしただけなので。“景品を獲得する”っていう目的に特化しすぎると、“遊び”っていう要素はどこにあるんだろう?って。「惜しかった」とかそういうやつが、ゲームじゃないですか。中に入っている景品がすごい良いもの、魅力のあるもので、それが欲しいっていうだけだったら「それってゲームなのかな?」とかね。例えばゲームを通した買い物みたいなものになっちゃってないかな?って、ゲームってこう「◯◯が欲しい」みたいな物欲じゃないと思うんですけどね。「これやって面白かったー!」っていうのがやっぱりゲームなんじゃないかなとか。隣で、みんなで、ワーキャーやるのがゲームだったりとか。「すっごい悔しいわ」「まじこれムカつくわ(笑)」みたいな、そういうのを体感するのがこうゲームだったりすると思うんですよね、モノの対価はそこには無いはずなんですよ。

例えばガチャガチャはね、何が出てくるかっていう楽しみはあるけど、「回す」という行為自体に楽しみはないですよね。そこがゲームにはありますからね。ただお金いれたら物が出てくるだけっていうよりも、攻略考えて、いろんな案を話し合いながらワイワイやって取れたとかね。ゲーム+モノ、っていうほうが強烈に楽しいとは思いますけどね。モノではない楽しさっていう。ガチャガチャじゃなくて。・・・伝わりますかね、これ(笑)。

まぁ僕は小さなお店で思ってることだから「おたくの店はそうだろう」ってそう言われるかもしれないですけどね。ただ、もっと“ゲーム”っていうのは、内側から心から「面白い」っていう。面白いからゲームなんじゃないの?モノがほしいだけっていうのはゲームなのかな?っていうね、そういう気はしちゃってるんですよね。だからこういう体感ゲームみたいなね、そういうのを一緒に並べて遊んでもらって「これがゲームなんだ」っていうのを体感してほしいなって思ってますよね。そういうのがもう少し広がってほしいなと。楽しくみんなでワイワイやったり、悔しいとかムカつくだとか言い合って、結果たくさん会話してっていうのが、気持ち的に幸せな面、満たされる面はありますからね。気持ち的に幸せになれる、そういうのを地元のお店で体験できる、それが本来のゲームセンターなのかなっていう、そういうのは思ってはいるんですけどね。まぁ流れがあること自体は仕方ないっていうか、受け入れられている面もあると思うので、ただ、実際は僕的にはそこじゃないんだよなぁ、気持ちから楽しいのが良いんだよなぁっていうのはね、ありますけどね。

モノでは無い楽しさっていうか。ガチャではない楽しさっていうか。そういうことを考えたりします。物欲を満たす、が最後まで大事に覚えている人、大事にしていく人ってどのくらいいるんだろうって。でもこういう楽しんだものって、多分忘れないんですよ。あの時あいつと遊んだゲームが、とかあそこに行った時に遊んだゲームが、とかは忘れにくいですよね、経験だから。「あの時とった景品はコレだよね」とかは、多分そこまでは覚えてないんじゃないかなって思うんですよね。経験・思い出に比べると覚えていない部分はあるかなと。ゲームっていうのはそういうもんなんだろうなっていう。だから、日々の、日常の中のストレスっていうのをここで解消してもらって、「楽しかった」「また来よう」「時間あったから来てみた」っていう、そういう環境がゲームセンターっていうのは僕の理想っていうか、そういうのは目指したいなって感じですね。環境が許せばそうありたいっていう。やってて冥利につきるっていうか。忘れないだろうね、この楽しさは、このゲームは、っていうね。思ってくれると良いなって感じですけどね。だからね、クレーンゲームが悪いとかじゃなくて、世の中ですから、それは。

良い光景がたくさんあるのが僕にとっての楽しみ

最近面白いなぁって思ったことは、外人さんかな。彼らは「ココには楽しくなりに来たんだ」って心持ちで来てますから、ちょっとした事でもすぐ喜んでくれるんですよ。本当に穴 1 つ入らなかっただけで喜んだりとか悔しがったりとか大騒ぎで。本当に箸が転ぶじゃないですけどそれくらいの事でも笑っちゃうっていうそういう楽しみ方をしてくれるので、もうこっちも見ててね、もうすごいなんだろうな、こっちまで楽しいですよね。なんだったかな、マリオカートだったかな?もうとにかく、「YeahYeahYeahYeah!!」ってすごい言いながらプレイしてるんですよ。でも、ビリなんですよ(笑)。で、ダントツで負けてゴールしてそれでも「イェー!すごく良かったぜ!」みたいな事言ってくれて帰っていくから、「すごい楽しかったんだなこの人。ダントツビリなのに」っていう(笑)。あと、あれもあるなぁ、太鼓の達人。うちの太鼓の達人、古いナンバリングなんですけど、またこれもまた外人さんなんですよ。お金いれて、「イエー!」って「ウェーイ!」って「よし行くぜ!」「来いよ!」っていって音楽流れてくるじゃないですか。かわいくドラえもんなんですよね(笑)。もしくはアンパンマンマーチだったりとかね(笑)。「よくコレでそこまでノれるね!」っていうね(笑)。うちの日本人のお客さんだと、幼稚園くらいの子が楽しむ曲なんだけどっていう(笑)。それでもね、大盛りあがりで「来たぜ!」「イエー!」ってアンパンマンをやるっていうね。

そういうのが面白かったな。とにかく「すげぇ楽しかったぜ」「また来るぜ!」って言って英語でペラペラと言って帰るんですよ。僕は英語わからないんだけどね(笑)、それでももうノリが楽しかったって全身からわかりますよね。そこまでかっこよくノッてくれて、それでドラえもんとかアンパンマンで、可愛すぎるだろって。可愛い、そういう無垢なやつをみましたね。本当にもう本当だから、本当にそういうのがやっぱり良い光景ですよね。

あとは、面白いんじゃないんですけど、アップライト筐体のビデオゲームとか、マリオカートとか、いろんなところで、お父さんとかお母さんが、お子さんを膝に乗っけて遊んでたりするんですよ。やっぱりそういう、子供と一緒に遊ぶじゃないですけど、なんかね、変な地元での思い出作りじゃないけど、やっぱりこれはね。そういうのは良い光景だなと思って。

例えばね、ガンバアールの画面に届かない子とかいるんですよ。一応お子さんが立つ用の台も置いてるんですけど、それでも届かない子がやりたがってね。だから僕が電気を変える時に使う背の高い脚立もってきて、お母さんが後ろにピッタリついて支えて、それでガンバアールで頑張っていっちょ前に的を打ってたりとかね。多分その子は、こういうの覚えてなくて。わからないまますぐ大きくなっちゃったりするんだろうけども、まあそれはそれで良い光景で、楽しくてね、それで十分だよねって。もう本当に楽しいっていうか、そういうのがゲーセンやってる方としては大きいですよね。みんな、人それぞれ多様な遊び方をしていてね、イェー!ってアンパンマンマーチたたいてるかと思ったら、お子さん膝に乗せてお父さんがマリオカート運転してたり、そこの台に乗って背伸びしてガンバレットで的うってみたり。そういう良い光景がこう。

本当に最近、コロナも明けて、ウチもちょっと方向変えて、どんどん生まれつつあるんでね。そういう、面白いっていうよりも良い光景だなっていう、良い光景がたくさんあるのが僕にとってのね、楽しみだったりしますから、なんかすげえ見て面白いとかじゃなくてね。それが僕の楽しみかな。そういうの見てるのはいいですね。やっぱり僕にとってはそういうのが楽しいかな。

最近、唐揚げ屋さんはじめまして。規模は小さいんですけど、唐揚げ食べながらゲーム見たりとかの風景も良いなぁっておもって。道歩いてて街の唐揚げ屋さんだと思ったら、後ろにゲーム屋さんが繋がってるぞっていう(笑)。それで開店させてもらってね。もちろんゲーセンはゲーセンで頑張るんですけど。

Twitterで開店ツイートしたら、「世界初の、唐揚げ屋さんがあるゲーセンですね」って言われたんですけど、いやいやこんなの昔のゲーセンにはたくさんあったんだよっていうね。そういう事もみんな、もう知らないんですよね。だから、こういう地域の町のゲーセンとしてはね、ゲーセンには普段来てくれない人が足を止めてくれたりね、別に見てくれるだけでも十分嬉しくて。お金落としてくれよなんて二の次で。来てくれないことには始まらないですから。魚がいないところに釣り竿垂らしても駄目なのと同じでね。いっぱい来てもらって、楽しそうって思ってもらって、もし楽しいやつを見つけた時には遊んでみてもらってね。自称グルメなんで、自称グルメって言ってるので味は僕が見てまして。でも販売は僕より詳しい人がいるので見てもらって。僕はゲーム機の仕入れからメンテナンスから唐揚げの味までを、幅広くやらせてもらってます。

僕の夢

僕の夢はやっぱりもうこういったお店をね、やっぱりもう 1 店舗 2店舗。地元にね。地元っていうか地域に根ざしたやっぱゲームセンターをね。やっぱ小さくてもいいから少しずつ増やしていきたいですね。本当に小さなゲームセンターで構わないんで、みんなが楽しめるようなあのゲームセンターをね、どんどん広げて行きたいですよね。

今、ゲーセンにいない人へのメッセージ

やっぱりこういった世界、楽しい世界があるということをね。いろんなところのゲームセンターで見てもらいたいですね。「行ったことないからいいや」とか「あー・・・ゲームねぇ」っていうんじゃなくて、そこに楽しんでいる人たちがいるっていうものをね。見てもらいたいです。で、1 回体験してもらってどう思うかはその人次第なんですけど、ただこういったことを楽しい世界が何十年も前からあるっていう。何十年も前からこの世界はあるんだよ。っていうものをね。やっぱぜひ体感っていうか、感じてもらいたいですねえ。関わったことがない人は普段見ない世界ですから。ディズニーランドとも違うし。コレが街の、昔からある、ゲームセンターですよっていうね。ぜひ体感してもらいたいですね。


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