ゲーセン ゲーセンさんぽ プレイ日記 マーケティング 施設

AC/ゲーセンをマーケティング的に妄想する(5)~ゲーセンを発信していくには~

今回は、「AC/ゲーセンをマーケティング的に妄想してみる(3)」で書いたことの一部を取り出して、もう少し具体的に、ゆっくり、書いてみようかと思います!(*´∀`*)

一部被る部分もあるかもしれませんが、そこはご容赦頂いて、また、いつもの「妄想」「小難しいことを言うだけ」「わかった風のことを言っちゃう」エントリ、です!(;´∀`)
個人的にたどり着いて思っているというだけで真実とは限りません!!
というところでご了承頂けそうでしたら、よろしければお付き合いくださいまし・・・(((;´∀`)

では力作となっております!!よろしくお願いしますm(__)m


◆今回考えたいことはゲームセンターが、「ゲーセンを一般的に、幅広く、世の中に発信していく」には?

突然ですが、わたしがランドセル時代に教室で盛り上がってたのが、ファミ通の“クロスレビュー”。食べログっぽいイメージで、その週に発表される家庭用ゲームをテストプレイした編集部メンバーが点数をつけてレビューしておられた企画で、クラス全員読んでいることが当たり前だった記憶があります。
同じく、ドラクエやFFなど有名タイトルゲームはプレイしておかないと「非常識」となり教室での会話についていけなかったものでした・・・懐かしい。
2017年になった今、クロスレビューや超有名タイトル、といっても、「そうそう!今朝も教室でそのハナシになった!常識だよね」という同感を得ることは昔ほどは無くなったように思います。

家庭用ゲームに限らずテレビドラマも野球の結果ももちろんゲーセンの新作ゲームも同じように「みんなの常識」にはならなくなって久しいです。本当に興味・関心の幅は広くなりました。

 

「社会の共通言語として機能しなくなった」ということ。これは当時と2017年で決定的に違うことではないでしょうか。

◆趣味嗜好でのターゲティング

2017年の広告(そもそもでいうとマーケティングですが)は
「モノが欲しい人に向けて、機能や性能といったモノのすごさ・良さをアピールする」から、
「どんな体験、経験(趣味や嗜好、好きなど)をすることができるのか、どんな気分を得られるようになるかをアピールする」
に変化しています。
例えば「この車は、燃費がどのくらいで最高時速はどのくらいで価格はどのくらいです」から「この車があれば、家族でキャンプにいってこんな気分になれる!」に変わったり、
「この味噌は、こんな味で価格はいくらでどこに売っています」から「味噌汁のある食卓は幸せ」に変わったり、スターバックスはコーヒーを売るのではなく「スターバックスで得られる体験を売る」、というような感じです。

 

この変化はどうして生まれたのでしょうか。
その答えの一つはこういうところかもしれません。

「現代社会は、共通の関心事を持った人々が集まって部族(トライブ)を構成する、部族社会へと回帰しようとしているのだと。現代の部族は、極めて狭い領域、あるいは地理的に遠く隔たった複数領域に属する人々が、堅いきずなで結ばれた集団である。彼らはまた、興味の対象を勧め合ったり、情報として共有したりすることで、信頼のネットワークも形成している。」
ストーリー・ウォーズ ― マーケティング界の新たなる希望(著者: ジョナ・サックス、平林祥)

 

いきなり難しい引用をして恐縮ですが、なんとなくお気付きになられたかもしれません。
そう、SNSで、例えば「Twitter」「Instagram」などで起こっていることに近いのです。

(ソーシャルグラフに強い/インタレストグラフに強いなど)SNSにも種類はありますが、Twitterで想像してみてください。企業やビジネスアカウントではなく、完全に個人的なアカウントの場合、自分がフォローしたいのは、年齢が同じ人のアカウントや性別が同じ人のアカウントなどではなく、自分が欲しい情報・“自分と共通の趣味・興味・関心・価値観を発信している”アカウントではないでしょうか。(※1)

これはとても大きい変化だと思います。
というのは、「“共通の趣味・興味・関心・価値観”の集団」は、「世代や性別などのカテゴリを超えられる(超えやすい)」からです。(※2)

 

・・・と書くとユーザーからすると自然すぎて「変化?そうかな?」と思うかもしれません。わたしは常に「人との距離は共感で縮まる」と発信していまつが、出身地や学校が同じことで相手との距離が縮まったと感じるユーザーからすると、アタリマエの感覚だからです。でも、仕掛けて行く側にはとても大きな変化です。

ちょっと乱暴な例え話になりますが、「ある新作自動車の広告を出そう」というシチュエーションを想像してみてください。

 

なんとなくですが、自社商品を買って欲しい・訴求していきたい相手(ターゲット)を、「東京都内に勤める30代のサラリーマンで独身男性」「都内に住む既婚の50~55歳の女性」「大阪府内の大学に通う18~22歳の女子大学生」といった感じで選定して、そこからイメージを膨らませて「東京都内に勤める30代の独身男性、埼玉県で一人暮らし」「仕事は営業で、中堅、係長クラス。一ヶ月自由に使えるお金は5万円くらい。情報収集は電車の中でのスマホ。プライベートでは彼女と週1回デート、同級生4人で週1回飲み会」というような感じで、ターゲットのイメージを膨らませて(ペルソナを作って)いくと、どこに広告を出すのか、どんなキャッチコピーにするのか、などが出てきそう・・・という想像ができそうです。

 

ここで、これまでの広告だと

「都内だと車庫が小さいから車のサイズを伝えよう」「月5万円から支払いをすることになるから燃費と車の金額を伝えよう」「30代の男性がカッコイイこうなりたいと思うタレントにお願いしよう」

という感じだったものです。それが現在では

「彼女がとびきりの笑顔で、思い切り楽しんでいる様子を表現しよう」「彼女を喜ばせたいと思っている彼氏が、もしこの車で彼女と一緒にでかけたら・・・という想像をしてもらおう」「車庫はデートの終わりを想像してしまうから、どこかへ行く途中の楽しそうな車内で撮影しよう」「タレントは彼女役の人を探そう」
に変わってきている、というような感じです。

 

この場合、

「“共通の趣味・興味・関心・価値観”」は「彼女に喜んでほしい、と思っている男性すべて」となり、都内在住や30代サラリーマンなどのカテゴリは優先順位が低く

なります。

 

わかりやすくなるよう、かなり乱暴な書き方で例えてしまいましたが(笑、すみません)、
“共通の趣味・興味・関心・価値観”で形成されたトライブを相手にしていくようになったという変化を、少しくらいイメージいただけたでしょうか。

そしてそれが、先程例にあげたTwitterやInstagramに代表される(インタレストグラフに強い)SNSだととても強く出やすいです。

 

(※1)リア友用TwitterアカウントやFacebookなどソーシャルグラフ寄りのものは今回は除いています
(※2)もちろん年代や住居が近い方が共通しやすいものもあると思いますが、昔と比較してというところです

 

ちょっと長くなってきてますが(笑)、もうひとつ書かせてください。

◆コンテクスト

コンテクストという用語があります。
表現行為全般を論じるのに便利な概念で、意味としては、「文章の前後のつながり」(http://p-o-v.sakura.ne.jp/yogo/contx.htm)という感じです。

 

長いのですが以下引用です。

例えば「これはたこです」と言う文があったとする。しかしこの一文だけでは「これは凧です」「これは蛸です」のどちらの意味なのか、判別できません。また違う例として、本当は相手が好きなのだけど素直になれなくて思わず「あんたなんて大嫌い!」と言ってしまうシーンがあったとしましょう。これも表面上では、心の機微や裏腹さまで読み取ることはできません。
(中略)
お爺ちゃんが「キャンデェ」を食べたいと言うので飴玉をあげたところ、お爺ちゃんが言う「キャンデェ」とは「アイスクリーム」のことだった。
(中略)
カノジョを褒めたつもりが、嫌味に取られてしまった。
(中略)
自分がある言葉によって表現している事物は、他人も同じ言葉によって表現しているはずだ。他人とのコミュニケーションを取るには、このような前提が必要となってきます。
(http://p-o-v.sakura.ne.jp/yogo/contx.htm)

 

この“コンテクスト(文脈)”が、コミュニケーションする場合においてとても大事ということはわかって頂けると思います。

特に世の中で、一般的に、幅広く、話し、理解を求めていく場合には「出来る限り聞いた全員のイメージが揃う共通言語、コンテクストを作る」方が絶対に良いです。

では「ゲーセンのコンテクスト(文脈)」って何でしょうか。

単純にわたしが想像する範囲ではありますが、ゲーセンの代表的コンテクストというと、
・暗い
・うるさい
・不良
・タバコ臭い
・ゲームが上手くなければプレイできない
あたりでしょうか(笑)。

単純にわたしの感覚モノで申し訳ないですが、

非常に狭いコンテクストしかもっていないのでは?
そして、それはわりとネガティブワードを含み、さらに、
この数年ワードが増減含めて変化していないのでは?

と思ってしまうのです。

もしこれが当たっていれば、一般的に、幅広く、世の中の人が、ゲーセンと聞いて思い浮かべる共通言語がこれらであり、それは定着したまま変化していないということになります。

◆トライブ時代のコンテクスト

さて、大きく2つ書いてきましたが、ここで両方をくっつけていきたいと思います。

 

“共通の趣味・興味・関心・価値観”で集団(トライブ)を作る時代に、コンテクストはとてもとても大事です。

機能や性能、費用などを伝えるだけなら、言葉はとても明確で単純でわかりやすいのですが、趣味・興味・関心・価値観を伝える言葉は、すごくあやふやで、受け取る人によって想像するものが違い、あいまいなものだからです。

音ゲーとTCGと格ゲーとメダルゲーとプライズゲーム、さらにその中の各タイトルでは、同じ名詞でも中身が全然違う!ってことがありますよね(笑)。

 

そして繰り返しになりますが、世の中で、一般的に、幅広く、話す場合には「出来る限り全員のイメージが揃う共通言語でコンテクストを作る」方が絶対に良いです。

 

改めて始めに戻ります。ここまで書いてきたのはもちろん「ゲームセンターを一般的に、幅広く、訴求していきたい」からです(笑)。

 

昔の「ファミコン、ドラクエ」のようにゲームをプレイする・知るために時間を割かなくては学校や会社で話題についていけない・・・というような強制力が働かなくなり、自分が自分で関心があり楽しいと思える時間とコトを選択し、その情報を(Webで)簡単かつ大量に仕入れることができ、身近に共通の趣味関心を持つ仲間(ソーシャルグラフ)がいなくても、ソーシャルメディアで探し、フォロー&フォロワー関係で共有し、楽しむ場が作れるようになった現在、

「ゲームタイトルの機能や性能を転記するだけ」
「ゲームタイトルを入荷するだけ」
「ゲームタイトルの稼働情報を伝えるだけ」

だと何も訴求になりません。何も伝わりません。ゲーセン以外の業界から発信される圧倒的な量の同じようなレベルのあらゆる訴求情報の渦の中に埋もれていってしまいます。

◆やっと本題。ゲームセンターが、「ゲーセンを一般的に、幅広く、話すためのコンテクストを見出し、世の中に発信していく」には?

 

各業務用ゲームメーカーが自社タイトルの機能や性能を伝えたり、そのゲームによってどんな経験が得られるか?どんなタイトル特有のコミュニティ体験があるか?を伝えていくことはもちろん期待しています!

のですが、但し、わたしはゲーセンには発信出来るけど各メーカーには伝えられない、出来ないことがあると思っています。それは、ゲーセンの強み、つまり
「ゲーセンまでわざわざ行ってゲームをする、ことでしか得られない体験ってどんなことなのか」
を伝える、発信すること。

 

一例でいうと、最近「ゲーセン」の強みとしてよく言われるゲーセンのコミュニティ。これはそのゲーセンがもつ特有のトライブですね。
ゲーセン各店にあるコミュニティの、形成経験、またコミュニティによって出来る体験を伝えていく、またその中でコンテクスト(文脈)形成していくことは、ゲーセンにしか出来ない発信です。

そして、その時には、各ゲーセンや店員さんごとにバラバラの、人によってイメージが変わる言葉を使うのではなく、「世の中で共通言語となり得るコンテクスト」を使えれば、とんでもなく強い発信力を発揮すると思うのです。

 

想像してみてください。
オールゲーセンが、世の中(※ゲーセンの中にではなく外)に、世の中の人が想像しやすいゲーセンコンテクスト(文脈、共通言語)で、ゲーセンの強みを、訴求していったら。

 

とっても力強いと思いませんか?(*´∀`*)

そしてそれは次世代のファンを作る力のひとつになりえないでしょうか。

 

このコンテクストを作れるのは、絶対にメーカーではなく「ゲーセン」であり、それがゲーセンの強みで、ゲーセンの面白いところだと、わたしは思います。

なかなかビジネスの輪の中で、自社の利益だけではなく業界全体の利益まで考えて運用・場合によってカバーしていくなどは難しいものだと思いますが、でもその例が他の業界に無いわけではないので、ぜひとも。

◆ではいつもの!(笑)

 

とはいえやはり、そんな「ゲーセン」のコンテクストを形成していくリードは数十年のゲーセンの歴史の中でも生まれていないのだから簡単ではなく、当然ビジネスの中では難しいものだと思います。

・・・じゃあ、まずは利益を追わなくて良いため(なぜなら仕事ではなく1円にもなっていない・していないから(笑))自由に動ける、わたしたち(ユニット:ゲーセン女子)がしていけたらいいな!と、改めて思ったのでした( `・∀・´)ノ=3ムッハー 自分ごと化が進みすぎたコアファンの本気を見てみてくれー!(笑)

そして、こうなるともう、必要なものは、覚悟ですよね!!!圧倒的ゲーセン愛があるから覚悟もできるってもんだよっ٩( ‘ω’ )و
ここまでの愛を育ててくれたゲーセンには感謝ですねっ♪

 

さてさて。今回もお読み頂いてありがとうございましたっ♡引き続きご教授のほどどうぞよろしくお願いいたします!!╰(*´︶`*)╯♪

AC/ゲーセンをマーケティングするシリーズ:
http://gamecentergirl.jp/5917-2/

「ゲーセンさんぽ」通販サイト:
https://gamecentergirl.stores.jp/items/579ac0b1a458c0d7c10002e4

Powered by: Wordpress