お知らせ ゲーセン ゲーセンさんぽ マーケティング

ゲーセンをマーケティング的に妄想してみる(2)「ゲーセンさんぽ」を作った理由

先日、「ゲーセンさんぽ」発行に伴うトークイベントを開催させていただきました♪

ゲーセン女子

想像よりも多くの方にお越しいただき、ゲストの方(長年ゲーセンを運営されておられる業界の方、「ゲーセンさんぽ」を一緒に作って下さったデザイナーの方)にもご登壇いただいたりしながら、「ゲーセンさんぽ」を作った経緯や裏側などをお話しさせていただきました。

ゲーセン女子

で、まぁこんなだいそれたことをそれっぽくお話しさせていただいてたりしたのですが(;´∀`)、

ゲーセン女子

ここでちょっとブログにも投稿してみようかと思います!!・・・・・・・どきどきどきどき(゚A゚;;;)

ご参照:以前のエントリ「AC/ゲーセンをマーケティング的に妄想してみる(°ω°)」に引き続きあくまで、わたしの妄想です・・・(笑)ので、言い切り型ではなく、そういう意見もあるんだなぁくらいの緩やかさで、一緒にゲーセンについて考えてみて頂けたらうれしいです!!

ではまいりますっ!

・趣味嗜好でのターゲティング

例えば、広告業界でよくあるブランド担当者への最初のヒアリング「ターゲットはどこですか?」。だいたいの回答は「30代の独身男性。だから、仕事は係長になったくらいかな。すると一ヶ月自由に使えるお金は4万円くらい。バリバリ働いているから情報収集は電車の中でのスマホを想定します」といった感じでしょうか。このターゲティングから、趣味嗜好でのターゲティングへ変わってきています。“共通の趣味・興味・関心・価値観”で形成されたトライブを相手にしていくことになり、そうすると世代や性別などは超えてしまうことになります。ユーザーからすると「何をいまさら」と思うことですが(笑)、マーケティングの世界ではすごく大きな転換なのです。

さらに大事なポイントに、“トライブ同士を連結させることで、趣味嗜好のターゲティングが広がり、強度があがる”というものもあります。
例えば、ブラタモリというテレビ番組。共通の趣味・興味・関心・価値観で形成されたトライブを複数(タモリ、街歩き、観光、地形、地図、歴史、大河ドラマ、都市伝説、怪談、などなど)持ち、何よりトライブ同士が近いため横の広がりがあります。結果、かなりの強度を持てるのです。

・コンテクスト

この趣味嗜好の強度は、コンテクスト(文脈ある物語性)でもっと強くなります。
もちろん、文脈は昔からあるものですし見渡すと、いくらでも見つかりますよね。例えば日経新聞と東スポ。掲載基準はもちろん違いますし、同じニュースを報じたときの受け止められ方や報じ方も違いますし、そのニュースの拡散のされ方も違います。他にも、同じブランドの同じプレスリリースであっても、twitterとFacebookとInstagramとMixChannelでは拡散のされ方やフォロワーが求めるものが違う、これは各SNSの持つ文脈がそれぞれ違う、ということを指しています。
そこには紛れもなく明確なメディアコンテクストが存在しています。
そしてコンテクストの違いは、ブランドやメディアやエンタメコンテンツごとにあるので、PR・広告・宣伝・営業のように縦割りではなくオンライン×イベント×PR×広告×メディアなどを連携させた横串のコミュニケーションデザインを考えることが増えてきてきています。

ゲーセン女子

・趣味嗜好×コンテクスト

上記2ポイント・“趣味嗜好ターゲティング”דコンテクスト”へのマーケティング変化が、消費者とってはどういう変化として伝わっているか、確認してみます。
例えば。自動車メーカーのCMが“この自動車はこんな機能があり、価格はいくら!”と訴えるものから“家族全員でキャンプへ行こう!こんな体験ができますよ!”“昔娘を乗せてドライブをしましたね、今は結婚した娘があなたを乗せてドライブしようと誘ってきます”というものへ変わってきていること。Appleファンの中には“iPhoneよりもandroid製のとあるメーカー製品の方が比較した時圧倒的に良いプロダクトであったとしても、iPhoneを買う方がおられる”“iPhoneに決済機能がついたとか防水になったとかの機能的変更には興味なく、iPhone7が出たからiPhone7を買うという方がおられる”こと。
これらはコンテンツ(プロダクト)重視でその“機能”を買って欲しい“ターゲット”に向けて“伝える”というマーケティングから、共通の嗜好・趣味・興味・関心・体験をコンテクストに乗せ、体感・共感を呼び込み想像してもらえるように伝えるマーケティングへの変化を表しています。

こんな上手な例もあります。スタバの“Starbucks eGift(メッセージカードにスターバックスのドリンクを添えてオンライン上で友だちに贈ることができるギフトサービス)”は、“コーヒーを贈るのではなく、おつかれさま・今日はありがとうなどの、気持ちにコーヒーを添えて贈る”という文脈になっています。これは、スタバは機能としてはコーヒーショップですが、スタバに行くという行動はコーヒーを味わいに行く、よりも上位に気持ち・気分をゆったりさせに行くってことなんだよ”というスタバ“体験”を、プロダクト上で表現しています。

などなど、コンテクストを訴求するものも一般的になってきているよね、ということの確認をさせていただいたところで。。。

いつもの、ゲーセンでの妄想に移らせていただきます!(笑)

ゲーセン女子

・ゲーセン界隈ではこの2点が揃っていることをほぼ見かけない、聞かない

こういうふうに並べてみると、わたしたちユーザーからすると「当たり前のこと」って思える「トライブとコンテクスト」なのに、”ゲーセン”ではあまり見かけません。
趣味嗜好ターゲティングが当たり前であるはずの(アーケード)ゲームなのですが・・・。思いあたることはいくつかあって(みなさまご存知のところですが)

・ゲームタイトル、というコンテンツが強力(だった)ので熱狂的なユーザーが多い(多かった)こと。結果「ゲームメーカーが作ったゲーム=コンテンツ」が絶対的なものである(あった)
・ゲームタイトル(コンテンツ)自体にはメーカーが考えた文脈があるが、「コンテンツを集めて置く場」であるゲーセンでそれを考えた経験があまり無い(コンテンツに乗っかっていればユーザーは勝手に来てくれたからマーケティングなど考えた事が少なかったり、焦点が当たったことが少ない)
・熱狂的なアーケードゲームユーザーにとって「コンテンツに関する正しい情報」「自分がゲームによって得られる報酬」以外は興味があまりないことも多い(=ゲーセン営業に直結するインカムにコンテクストなどが影響を及ぼさない(なかった))←わたし自身がガチ勢なもので本当にそうだったり(笑)

あたりなのかなぁ?などと妄想できます。

・でも、現在投資してくれている熱狂的なアーケードゲームユーザー以外、を取り込めないと厳しいよ・・・

ゲーセンに来てくれてお金を入れてくれている現在進行形のユーザーを、タイトル間や店舗間で取り合う図、になっている今。ユーザーがアーケードゲームに使える上限金額や上限時間はもちろん決まっているので、例えば音ゲー勢になってくれたユーザーを「弐寺とサンボルとユビートとマイマイとチュウニズムとグルコスとで取り合ってもゲーセンに入る金額は同じ」って感じになります。つまりよく言われる“新規ゲーセンユーザーを作らないとダメだよね”ってやつですね!
そして、まぁそんなのはもう全員がわかってることですよね(笑)。

その新規ユーザーの作り方について、わたしは、
“メーカーのゲームタイトル頼み”“いいもの(タイトル)作ってもらってお店に置いておけば勝手に人がくるはず”“来ないのはタイトルがよくなかった”っていうのは、“ただ勝手にブランド(メーカー)がターゲティングしただけの買ってほしい(買ってくれるはずの)層に、機能を訴求していく広告”と同じで、ちょっともう限界があり、やっぱり「趣味嗜好×コンテクスト」にしていかないといけないんじゃないかなぁと思った、ということです。

なにせ(わたしたち)消費者は、ゲーセン以外では“トライブとコンテクストで良いものを訴えるようになってきた世界”で当たり前に生活し、当たり前にそういう経験・体験を積んでいます。特に若い世代ほど、昔ながらのターゲティング&機能訴求広告は経験していないはずで、そこにいきなり“良いアーケードゲームあります!”とか言われてもUXとして理解がしづらくなってきているのではないでしょうか。

ゲーセン女子

・ゲーセンのコンテクスト(文脈)って何だろう?

ゲームって趣味嗜好分類が得意なハズです。例えばゲームタイトルのメーカーが展開される“ガンダムが好きなユーザーがガンダムゲームを遊びにゲーセンに来てくれるという形を作ろう!と、ガンダムをエクストリームバーサスと絆とUCカードビルダーとプライズで展開する”形、これは趣味・嗜好軸に近いもので、しかもゲーセンでも、アプリでもおもちゃでもアニメでもコスプレでもマンガでも展開ができるものです。また、例えば“WCCF”のファンは世代や性別を超えてWCCFのファンです。

では、新規ゲーセンユーザーをつくるために考えるべきもうひとつの軸「コンテクスト」について、“一般的にいうゲーセンの文脈”っていうと、何でしょうか・・・?
エスノグラフィやMROCをしたわけでもない単純にわたしの感覚としてですが、、、非常に狭い文脈しかもっていない気がします。しかもその中にはちょっとしたネガティブワードもあると思う(不良が多い、暗い、うるさいなど)ので、ポジティブ文脈は本当に少ないのではないでしょうか。

そして、その文脈は、数年かけて、徐々に徐々に減って来た上に、増えていない気がしています。みなさまにも具体的な、その文脈を複数上げてみて頂けたらなと思いますが、現役のゲーセンユーザーであっても、ゲームタイトル文脈しか思いつかないという方も、おられるのではないでしょうか。

・「ゲーセンさんぽ」

ゲーセン女子

コンビニ、百貨店、本屋など、“メーカーの良い商品を集めて売る場”は複数あります。その中の、例えば本屋では、趣味嗜好×コンテクストをつくるため、文脈に変化を作ってきているところがあります。“新刊か在庫か、かつ出版社別かつ作者順かつあいうえお順”だったのが“料理ジャンルの本であれば、新刊在庫関係なく、マンガも雑誌も評論本も関係なくなんならグッズも一緒にした売り場にする”本屋とか、“コーヒーが飲める本屋”“泊まれる本屋”というような感じです。結果、買う人しか入れない!図書館のようにビシッと並列された整然とした売り場!見つけたら手に持ってレジへ!から、“ゆっくりできる”“趣味を広げられる”“待ち合わせする”というような場所、という、趣味嗜好×コンテクスト”が生まれてきています。きっと、“本屋という店舗ジャンルのコンテクストに、ひとつポジティブワードのコンテクストが増え、これまで通りの並べ方をしている書店さんも含めて社会全体から見たときの本屋へのイメージ変化”が起こりつつあると考えています。し、結果、来店者が増える(購買者ではない)ことも起こり得ると思っています。

さて、ゲーセンの文脈/コンテクストは、進化せず、増えていません。むしろ減っている気がしています。

 

わたしは“何故ゲーセンでゲームをするのか。ゲーセンでゲームをすることが生活に与える価値は何があるか”を、もっともっと業界全体で真剣に考えていけたらなぁと思っています。(86ソサエティのように)。とはいえ、わたしは別に全然業界の人でもなく(笑)、業界に発言力も全くなく発言する場もなく(笑)、なので自分なりに個人的に複数のコンテクストを勝手に妄想しました(笑)。
その中身はここに書きませんが、その勝手に妄想したコンテクストのうちのひとつは、社会(※業界ではないですよ)に発信していけそうだと考え、さらに表現する手段・発信する方法を考えた結果として

「ゲーセンさんぽ」

という形にしました。

20年来ゲーセンが大好きでい続けているいちユーザーから、ゲーセンにおける趣味・嗜好×コンテクストの、提案ということです。
提案なので、現在ゲーセンにいない方に届けたいし、できればゲーセン業界(仕事をされている)の方にも届けてみて、ご意見を伺ったりディスカッションできたらうれしいなぁと思っています。ということで、

・現在ゲーセンにいない方に届けたい→お取り扱い店募集中でーす!!(*’∀’人)♥*+(笑)
・ゲーセン業界(仕事をされている)の方→もう少し言葉を尽くして説明させていただきワークショップなりディスカッションなりをしたいでーす!!٩( ‘ω’ )و
・どちらもお問い合わせいただけたらうれしいです!(笑)→http://gamecentergirl.jp/?page_id=226(お問い合わせフォーム)
「ゲーセンさんぽ」通販はこちらです→https://gamecentergirl.stores.jp/items/579ac0b1a458c0d7c10002e4

以上、ゲーセン大好きユーザーの、妄想でした!m(__)m
妄想なのに、長文お付き合いいただきありがとうございますーーーー!!!!!(人´∀`).☆.。.:*・゚大感謝です!!!

Powered by: Wordpress